「キャンプ宿泊に無くてはならないギア」と聞くとどんなものを思い浮かべますか?
キャンプ初心者の方はテント、寝袋あたりが真っ先に思い浮かぶかと思います。
しかし、もう一つ、キャンプ宿泊に欠かせない大切なギアがあるんです。
それは「スリーピングマット」。
テントと寝袋にこだわる方は多いのですが、スリーピングマットはついつい軽視されがちです。中には、マットを用いずに宿泊される方もちらほらいらっしゃいます。
しかし、快適に休むためにはスリーピングマットは最重要ギアと言っても過言ではありません。
そこで今回はスリーピングマットの種類と選び方についてご紹介します。

スリーピングマット選び。実はかなり重要
キャンプにスリーピングマットが必須な理由
スリーピングマットとは、寝袋の下に敷くためのマットのことです。普段わたしたちが使用している敷布団と同じ役割があります。
スリーピングマットの役割は
・クッションのように身体を包んでくれる
・地面から伝わる冷気を遮断してくれる
の2つです。
どんなにいい寝袋を使用していても地面が凸凹していたり、地面が冷えていたりしていては快適な眠りにつくことができません。そこでスリーピングマットが活躍します。
キャンプ以外でも活躍する場面多し
また、スリーピングマットはテント泊以外でも活用できる場面が多くあります。
- 車中泊用のマットとして
- 災害時の緊急用の寝床として
- ヨガマットとして
- 簡易的なお昼寝マットとして
アウトドア用スリーピングマットは軽量かつコンパクトで持ち運びや収納がしやすいため、お家においていても邪魔にならず、様々な場面でマルチに活躍します。
キャンプで寝る時用のギアというイメージが強いですが、意外に活用の機会が多くあるので、1つあるととても便利なんです。

これだけあるよ!スリーピングマットの種類
寝具の下に敷く、直接マットの上に寝転ぶというシンプルな使い方のスリーピングマットですが、その種類は豊富です。
いろいろなタイプのスリーピングマットがあるため、いざ購入を考えると誰もが一度は迷ってしまうことでしょう。
そこで、スリーピングマットの種類と特徴をまとめてみました。メリットとデメリットも記載していますので、ご自分のキャンプスタイルや好みに合ったものを見つけてみてください。
スリーピングマットの種類① クローズドセルマット
クローズドセルマットは細かな気泡が素材の中に含まれていて、独立気泡(クローズドセル)している様子からその名前がつけられました。
EVEやポリエチレンなどの軽い素材で作られているものが多く、折りたたんで収納するものが一般的です。
スリーピングマットとしてはいちばん有名なタイプ。
耐水性、耐熱性、耐久性に優れているため、濡れているフィールドでの使用もOK。険しい地面による破損の心配もありません。
高品質のものは半永久的に使用することが可能です。
厚みとクッション性はほどほどにありますが、物によっては薄っぺらく、地面の凹凸を感じるものもあります。
【メリット】
- 手ごろな価格
- 軽い
- 耐久性が高い
- 濡れても大丈夫
【デメリット】
- かさばる
- 薄っぺらいものは寝心地が悪い

スリーピングマットの種類② エアーマット
エアー(空気)を入れて膨らませて使用するタイプのスリーピングマット。
断熱材入りの素材を使ったもの、軽量素材を使ったものなど幅広いラインナップが揃っています。
動きやすさ重視の登山家はコンパクトで軽いエアータイプのマットを選ぶ方が多いです。
空気を入れると5㎝~10㎝になり、どのタイプのマットよりも分厚くなります。そのため断熱効果が期待できます。
寝心地はふわふわとした感覚で、地面の凹凸はかなり解消できますが、不安定な寝床が苦手な方には合わないかもしれません。
また、エアーマットは穴が空いてしまうと使い物にならないというデメリットがあります。
【メリット】
- 厚みがあり地面を問わず快適
- 軽量
- かさばらず持ち運びが楽
【デメリット】
- 空気を入れる手間がある
- パンクのリスクがある
- 高性能なものは非常に高価

スリーピングマットの種類③ インフレータブルマット
インフレータブルマットは、マットに取り付けてあるバルブを開くとウレタン素材が自動で空気を吸って膨張するタイプのマットです。
エアーマットは自分で空気を入れる必要がありますが、インフレータブルマットは放置するだけでOK+空気量が足りなければ自分で空気を入れて調整することも可能です。ちなみに、どちらも空気抜きは手動です。
クローズドセルよりもやや厚みがあり空気気を含む分コンパクトに収納できますが、ウレタン素材のため重さが増えてしまいます。
厚みや断熱性が高いものを選べば選ぶほど重くなってしまうことを頭に入れておかなければいけません。
また、エアーマットと同じく穴があいてしまうリスクがあります。エアーマットよりはリーズナブルなものが多いですが、クローズドセルよりも価格は高めです。
【メリット】
- 半自動で膨張してくれる
- 空気量の調節ができる
- 厚みがあり寝心地は良好
【デメリット】
- 薄いものは寝心地が悪い
- 快適性をとると重くなりがち
- パンクのリスクがある
- やや高価なものが多い

スリーピングマットの知識
「R値」ってなんのこと?
スリーピングマット商品を眺めていると、見かけるのが「R○○」という数値。これはスリーピングマットの暖かさを数値で確認するためものです。R値がついているものとついていないものを見かけるのは、外国でよく使用される表記のため、日本製の商品にはあまり使用されないためです。
日本製マットの暖かさを知りたい場合は、「夏用」「3シーズン対応」といった表記をしてくれているものがあるので、そのマットの使用に適しているシーズンを確認するようにしてください。
◎R値表記のみかた
・R1以下…最低気温10℃(夏対応)
・R1-2.5…最低気温5℃(春夏2シーズン対応)
・R2.5-4…最低気温0℃(春夏秋3シーズン対応)
・R4以上…最低気温-5℃(オールシーズン対応)
スリーピングマットの選び方のポイント
スリーピングマットの種類と特徴が分かったところで、自分はどんなマットを求めているかなんとなく想像が膨らんできたのではないでしょうか?
最後にスリーピングマットの選び方のポイントをおさらいしておきましょう。
スリーピングマットを選ばれる際には次にご紹介する5つのポイントさえしっかりと押さえて選べば大きな失敗することはないでしょう。
選び方① 扱いやすさ
スリーピングマットを使用する上で「扱いやすさ」は最も大切な要素です。
- 空気を膨らます手間はあっても平気か
- 簡単に撤収できる仕様になっているか
- 膨らます時間はどれくらいか
は最低でも考慮してください。
荷物がかさばっても問題なければ、厚みのあるクローズドセルマットが最も簡単で扱いやすいのでおすすめです。

選び方② 長さ/幅/厚み
同じような性能のマットでも長さ、幅、厚みがそれぞれ異なります。この要素は寝心地と持ち運びに大きく関係しています。

厚みがあるものが寝心地が良いとは限らないです。マットは実際に寝た時の寝心地や保温性を重視するのがベストです。
また、持ち運びやすさや価格などバランスがとれているものを選べるといいですね。
選び方③ 重さ/収納サイズ
選び方②でも触れましたが、寝心地のいいものは重さや収納サイズが大きくなってしまいます。かといって軽量コンパクトにこだわりすぎると、使用感がイマイチになってしまいます。
個人によって「寝心地がいいと感じる感覚」は違うので、実際に手で触ったり寝てみたりして実感していただくと間違いありません。
選び方④ 断熱力
秋冬キャンプをする方、高地フィールドに行くことが多い方は断熱性にも気を配りましょう。
断熱性が高いものは高価になりがちなので、コスパを抑えたい方は保温性高い寝袋との組合せを工夫するなどしましょう。

選び方⑤ 耐久力
耐久力でマットを選びたいのであれば、クローズドセルマットを選ばれることをおすすめします。
大切に使用すれば半永久的に使用できますし、何より穴が空いて使用できなくなる可能性がありません。地面が険しいフィールドに行く場合にも重宝します。
スリーピングマットで翌日は疲れ知らず
スリーピングマットの種類や選び方のポイントについてご紹介しました。
寝心地はひとそれぞれ感じ方が違います。どんな環境でも熟睡できる人、腰痛持ちで固い地面で眠りにくい人、冷え性で寒さを感じやすい方、それぞれによって適しているマットは異なってきます。
今回ご紹介したマットの特徴をふまえつつ、自分が快適に眠れるマットを選んで下されば幸いです。
スリーピングマットがあることで、キャンプという非日常な環境でも驚くほど快適に就寝できるので、ぜひお試しください。

