キャンプに持っていくアイテムに欠かせないもののひとつがランタン。
キャンプ時の明かりは焚き火でもとれますが、ランタンがあることによってより周囲が明るくなり、手元や足元を照らすことで作業効率が上がったり、安全に過ごせたりといったメリットがあります。
ランタンの種類を理解して、適材適所に使い分けるられるとキャンプがグッと快適になりますよ。
今回はランタンの種類と選び方について解説します。
ランタンの基礎知識
ランタンの種類を説明する前に、ランタンについて知っておきたい基礎知識をご紹介します。
ランタンとライトは何が違う?
ランタンといえば周囲を明るく照らすための「灯り」ですが、ライトとはどう違うのでしょう?
どちらも「照らす/灯す」という目的は同じですが、ランタンは吊り下げたり置いたりして使用する灯り、ライトは手に持って使用する灯りという細かな違いがあります。
ちなみに、どちらの機能も兼ね備えた便利な商品もあります。
ワット?ルーメン?明るさの単位
また、ランタン商品を選ぶうえで大切になるのが「ワット」や「ルーメン」といった表記。これはランタンの明るさを表す単位です。使用する光源の種類によって明るさの単位が異なります。
- LEDライト⇒ルーメン(Lm)光源の明るさ
- ガスライト⇒ルクス(Lx)光で照らされた場所の明るさ
- ガソリンライト⇒キャンドルパワー(CP)ろうそく1本分の明るさ
こういった表記も頭に入れておくと、ランタンを選ぶ際に明るさのイメージがしやすくなります。
ランタンの種類
ランタンは大きく分けて3種類。
- LEDランタン
- ガスランタン
- ガソリンランタン
それぞれ光源の種類が違うため、明るさ、色味、エネルギー源、つけ方が異なります。
各ランタンの特徴、メリットとデメリットを解説していきます。
LEDランタンの使い方とメリット・デメリット
LEDランタンは電池式になっており、スイッチひとつで光源を確保できるとても手軽なランタンです。
初心者から熟練キャンパーまで幅広い層に人気で必ず1つは持っておきたいところ。
電池式ランタンといえば、以前は蛍光灯が主流でしたが近年は省エネかつ高い光量が確保できるLEDにシフトチェンジしています。
物によっては光質や量を調整でき、ひとつでメインランタンからテーブルランタンまで使用できるマルチさを兼ね備えているものもあります。
- 使い方
- ON/OFFのスイッチの切り替えだけでOK。
- メリット
- 省エネ/使用時間が長い
- 調節機能があると便利
- 一酸化中毒の心配がない
- 子どもでも簡単に扱える
- 安価に手に入れられる
- デメリット
- 電池がないと使用できない
- 他の燃料に比べると光量が弱め

ガスランタンの使い方とメリット・デメリット
ガス缶を使用しランタンに付属されているマントルという布を燃やして光源を確保するタイプのランタンです。
しっかりと光量を確保できるため、1つあるだけで周囲をしっかり照らします。
おしゃれなものが多く、暖かみのある炎が好まれます。ガスを燃料とするため、調理用バーナーと燃料を共有することも可能。
- 使い方
- ランタンの本体にガスカートリッジをつけて、グローブをはずす
- マントルを装着、から焼きする
- グローブを装着、着火する
- メリット
- 光量が多い
- おしゃれな雰囲気がでる
- 燃料を他のギアと併用できる
- デメリット
- テント内で使用できない
- 一酸化炭素中毒の危険がある
- 使用時はランタンが熱くなる
- 光量が一定しない(低温下は特に)
ガソリンランタンの使い方とメリット・デメリット
ガソリンランタンはホワイトガソリンや灯油を燃料としマントルを燃やすことで光源を確保するタイプのランタンです。
どのタイプのランタンよりも光量が大きいのが特徴。
使用には少しコツが必要ですが、慣れれば気温に関係なく安定した明るさをキープできます。
冬キャンプに行く際にはガソリンランタンを1つもっていかれることをおすすめします。
- 使い方
- 缶に燃料を入れる
- ポンピングをする(缶内に圧をかける)
- ダイヤルを回して着火する
- メリット
- 光量が多い
- 安定した光量
- 気温に左右されにくい
- デメリット
- 使い方にコツがいる
- 一酸化炭素中毒に危険がある
- 使用時はランタンが熱くなる
- 価格が高くなりがち
- メンテナンスが必要
ランタンの選び方
ランタンの種類と特徴をまんべんなくまんべんなくご紹介したところで、なんとなく気になるランタンタイプが見つかったのではないでしょうか?
では、次にランタンの選び方をご紹介しましょう。
ランタン商品単体から好きなものを選ぶという方法もありますが、初心者のには「使用する目的に応じて適切なランタンをそれぞれ選んでいく」選び方をおすすめします。
まずは、キャンプでランタンを使用する目的を考えてみましょう。
ランタンは適材適所で選ぶべし
- キャンプでランタンを使用する目的にはサイト全体を照らす目的⇒メインランタン
- テーブル周辺を照らす目的⇒サブランタン
- テントや移動中に持ち運ぶ目的⇒携帯用ランタン
があります。
サイト全体を照らす目的なのに光量が小さいランタンを選んでしまっては十分に周囲を照らせず、逆にテーブル上をほどよく照らしたいのに目がくらむような光量では作業が出来ません。
それぞれの目的に適した特徴を持つランタンを選びましょう。
メインランタン
メインランタンはサイト全体を照らすために用います。
ランタンポールやタープのポールに吊り下げることで効率よく周囲を照らせます。
目安としては200W前後(3000ルーメン程度)のものを選ぶといいでしょう。
- おすすめランタン
- ガスランタンやガソリンランタン
- 燃焼時間が長いもの
- LEDランタンを複数使用するのも◎
サブランタン
サブランタンはテーブルに置いて手もとを見えやすくする、間接的に置いて落ち着いた雰囲気を演出するなど、さまざまな場面で活躍してくれます。
料理やギアの手入れといった作業中に使用することが多いため、明るすぎても暗すぎてもよくありません。
50W~100W(600ルーメン~1500ルーメン)あたりのものを選ぶといいでしょう。
- おすすめランタン
- LEDランタンやガスランタン
- 光量を調節できるものがベスト
- 暖色系の光色が目に優しい
- メインランタンより明るくないもの(虫が寄ってくるので)
携帯用ランタン
テントの天井にぶら下げる、夜間のトイレや流し場への移動の際に持って行くために使用する携帯用ランタン。
使い勝手や安全性を考慮すれば、これはLEDランタン一択です。
テント内でガスやガソリンランタンを使用すると一酸化中毒や火事の可能性があるため絶対に使用しないようにしましょう。
- おすすめランタン
- 軽量LEDランタン
必要?ランタンスタンドのメリット
ランタンを使用する際にセットで検討していただきたいのが、ランタンスタンドです。
ランタンスタンドは必ずしも必要なものではないのですが、あればよりいっそうキャンプが快適になりますよ。
ランタンスタンドのメリットには
- より広範囲360°を満遍なく照らせる
- 夏には虫対策になる
- ランタンを安全に扱える
- ランタン以外のものも吊り下げられる
等があります。周囲を効率よく照らせることはもちろんのこと、虫の「もっとも明るい場所に集まる」という特性を利用して虫たちを遠ざけることもできます。
また、ガスやガソリンのランタンは熱くなるため触ると火傷の心配がありますが、スタンドに立てておけば子どもが触る心配もありません。
ちょっとしたことですが、ランタンスタンドが1本あるだけでこれだけのメリットがあるので、持っていると必ずと言っていいほど重宝するでしょう。
ランタンスタンドの種類と選び方
ランタンスタンドを選ぶには、ランタンスタンドのタイプから自分のキャンプスタイルにあった物を選びましょう。
ランタンスタンドの種類は、1本足タイプ、3本足タイプ、ペグタイプの3種類。それぞれにメリットとデメリットがあります。
1本足タイプのランタンスタンドの特徴
地面に突き刺して使用します。特別硬い地面で無い限りは、傾斜であっても打ち込むことができるので使い勝手がいいです。
しっかりと差し込まないとランタンの重みでスタンドが傾いてしまう恐れがありますが、1本足なので足を引っかけて転倒するなどの心配はありません。
お子さんと一緒のキャンプにおすすめです。
3本足タイプのランタンスタンドの特徴
地面に置くことで3本足が安定感を保ってくれるタイプのランタンスタンドです。
置くだけでいいので設置に手間がいりません。硬い地面でも問題無く使用できますが、傾斜での使用は不向き。
また、足をひっかけて転倒してしまう恐れがあるため周辺を通る際には注意しなければいけません。
ペグタイプのランタンスタンドの特徴
ペグタイプのスタンドは単体で使用するものではなく、ポールと組み合わせて使用します。
特殊な加工がしてあるペグを地面に差し込み、ポールとランタンハンガーを取り付けてスタンドにアレンジします。代表的なものに、DODのチンアナゴペグがあります。
1本足なので足をひっかける心配が無く、傾斜でも問題無く使用できます。
ペグ部分とランタンハンガー部分のみの販売なので、通常のランタンスタンドに比べて安価なのが特徴。
ランタンは『適切な場所』で『適切な明るさ』で
ランタンの種類と特徴、選び方、ランタンスタンドの種類についてご紹介しました。
ランタンを選ぶ際には
- メインランタン
- サブランタン
- 携帯用ランタン
として自分がランタンを使用する想像をしながら、それぞれのランタンの明るさに合うものを選んでみてください。
ランタンを使う際にはランタンスタンドを組み合わせて使用するのがおすすめです。