ペグは種類ごとに特徴があり、適しているフィールドや用途が異なります。
フィールドや用途にぴったりのペグを用いることで、よりキャンプが快適になる反面、アンマッチなペグを選んでしまうと、怪我やトラブルに発展しまう恐れもあります。
今回はペグの種類や特徴、それぞれのメリットやデメリット、ペグの特徴を生かした使用用途など、わかりやすく紹介していきます。
慣れてくると、キャンプスタイルや状況に応じたペグ選びも楽しくなってくるので、この機会にぜひ確認してみてください!
ペグの種類を確認しよう
まずはペグの種類にはどのようなものがあるのかを確認しましょう。
今回は
- 素材による違い
- 形状による違い
- 長さによる違い
によってペグを分類し、それぞれの特徴を解説していきますね。
ペグの素材による違い
鍛造ペグの特徴とメリット・デメリット
- 特徴
鍛造ペグはペグの中でも最も丈夫で固定力がある部類に入ります。鉄(炭素鋼やスチール)をハンマー等で何度も叩き圧力をかけて形成してつくられます。
- メリット
柔らかい地面から硬い地面まで幅広い硬さに対応。耐久力もあり、きちんとメンテナンスすれば半永久的に使用できます。
固定力があることはもちろんのこと、石が地面に埋まっていてもハンマーで叩くと貫通するほどに頑丈です。
鍛造ペグではペグハンマーを引っかけるための穴の加工を施してあるものも多いため、抜き差ししやすいというメリットもあります。
- デメリット
鍛造ペグは丈夫な分、重さがあり価格が高くなってしまいます。
柔らかい地面には一応対応可能とされていますが、ぬかるみや砂地などあまりにも柔らかい地面には不向きです。
水に濡れてしまうと滑りやすい性質があるため、海辺や川べりの不安定な地面に使用する際には長いものを使用するなどしましょう。
黒地のものは草むら等で紛失しやすいため目印をつける等の工夫が必要です。

アルミ/スチールペグの特徴とメリット・デメリット
- 特徴
テントを購入した際に付属されているものはほとんどがアルミやスチール製の1本棒を曲げた簡易的なペグです。金属棒を曲げただけのシンプルなものが一般的。
- メリット
アルミやスチールペグの大きなメリットは軽くて安いことです。軽量かつコンパクトなので場所をとらず持ち運びにも困りません。安いため破損や紛失したとしても替えがききます。
程よい硬さの地面、かつ風があまりないフィールド、グランシートやレジャーシートの固定に最適です。
他のペグをメインに使っていたとしても、予備ペグとして持っていくと、もしもの時に重宝します。
- デメリット
ピンペグは硬すぎる地面や柔らかすぎる地面には不向きです。
特に砂浜では固定力が弱いだけでなく、ペグが砂にまぎれて紛失してしまうことも考えられます。砂浜でペグを紛失してしまうことは怪我につながるので砂浜での使用は控えましょう。
簡単に曲がってしまうので、アルミやステンレスの1本ペグは消耗品と考えておくべきです。
プラスチックペグの特徴とメリット・デメリット
- 特徴
大振りかつカラフルな見た目が特徴のプラスチックペグはT字型になっているものが一般的。
表面積が増え地面との摩擦力が高くなるため、他のペグと比べると抜けにくい性質があります。砂地でのサンドペグとして重宝します。
- メリット
砂地でテントやタープを張るのであれば、プラスチックが最も固定力を発揮します。泥やぬかるみには下手に鍛造ペグを使用するよりも、プラスチックペグを使用したほうがいい場合も。
見た目がカラフルなので紛失しにくく、破損や紛失したとしても安価なため替えがききます。軽くて持ち歩きやすいところもメリット。
- デメリット
硬い地面や石が多い土壌には不向き。無理に叩くと破損や変形の恐れがあります。
プラスチックペグを使用する際にはプラスチックハンマーを使用することが推奨されていますが、別途ハンマーを用意するのが面倒に感じるかもしれません。
ペグの形状による違い
ペグをよく見てみると形状が少しずつ異なっているのが分かるかと思います。微妙な形状の違いですが、使い心地に大きな差が出るため形状にも注目してみましょう。
ピンペグの特徴とメリット・デメリット

- 特徴
ピンペグは、アルミやスチールを素材として用いることが多いペグ。一本の金属棒を曲げたような形状をしています。テントやタープの付属品の多くはピンペグです。
- メリット
柔らかい金属を使用しているため軽くて安い、小ぶりのものが基本なので持ち運びしやすいため使い勝手がいいところがポイントです。地面の食いつきのいい芝生など整備されたキャンプ場であればピンペグで十分。
グランシートの固定などちょっとした固定にも役立つため、他のペグをメインにしていてもピンペグはいくつか所持しておくといいでしょう。
- デメリット
柔らかいため曲がりやすく、硬い地面には向きません。風が強い場所や砂浜には不向き。
V字ペグの特徴とメリット・デメリット

- 特徴
断面がV型になっているペグ。ジュラルミンやチタン製が主流。
- メリット
V型は重ねての収納ができるためコンパクトにまとめられます。加えて、ジュラルミンやチタンは軽い素材のためコンパクトかつ軽量に持ち運びできるペグとして登山やハイカーに人気の形状でもあります。
- デメリット
V型は溝に土が溜まりやすいため、使用後はお手入れにひと手間かかってしまうのが難点。
また、V型一定の方向からの力に弱いため、ペグの向きに対して斜めに打ち込んでしまうと簡単に曲がってしまうため注意が必要です。
ハンマーの柄を短く持って方向と力を調整しながら打ち込むのがコツです。
Y字ペグの特徴とメリット・デメリット

- 特徴
断面がY字になっているペグです。ジュラルミン製が多く出回っています。基本的な特徴はV字ペグと同様ですが、Y型は力の方向が3方向に分割されているためV字より折れにくい特性があります。
- メリット
V字ペグと同様、軽くて持ち運びしやすいので登山や徒歩キャンプに最適。力の方向が3分割されているためV字ペグよりは折れにくいです。
- デメリット
こちらもV字と同様に溝部分に土が溜まりやすいため、使用後は水洗いなどのお手入れが必要になります。
V字ペグよりは頑丈ですが、Y字ペグの中でもガイロープを引っかける部分があるものはその部分が弱くなっているため、ハンマーの力加減に少し注意が必要です。
その他の形状のペグ
V字とY字以外にも、U字ペグ、ネイルペグというものが存在します。(U字とネイルペグは種類がさほどないため簡単な説明に留めおきます)
U字ペグは刺さりやすく収納力があり、軽くて持ち運びが便利ですが、抜けやすいため砂地や風の強いキャンプ場には不適です。
ネイルペグは一本型のペグにプラスチック部分のヘッドが取り付けされているものが一般的。ハンマーの力が真っすぐペグに伝わるため打ち込みやすいのが特徴です。
ただし硬い地面や強い力に弱いため取り扱いには注意が必要です。初心者向きのペグでもあります。
ペグの長さによる使い分け

ペグには20㎝~50㎝ほどの長さがあり、どの長さのペグを用意すればいいのか迷ってしまいますよね。
ペグの長さは、
- テントやタープで使い分ける
- 地面の硬さで使い分ける
- 風の強さや天候で使い分ける
ことでそれぞれの特徴を最大限に発揮することができます。
長さによるペグの使い分け方法の目安は次の通りです。
20㎝程度の長さのペグの使い方
テントやテントのガイロープに最適の長さです。整備されたキャンプ場しか利用しない方や、テントのみしか使用しないという方におすすめ。
30㎝の長さのペグの使い方
テント&タープに適した長さ。いろんな用途に使用したい方におすすめ。オールマイティなので、迷った方は30㎝を選べば間違いないでしょう。
40㎝の長さのペグの使い方
タープ向けの長さ。複数のペグを持っており、+αでタープ用のペグを探している方におすすめです。
50㎝以上の長さのペグの使い方
大きなタープを利用する方や柔らかい地面、風の強い日には50㎝以上のペグが適しています。50㎝以上であれば鍛造ペグであっても砂地に利用することが可能です。
ペグの使い分けについて
状況に合わせてペグを選ぼう
ペグの種類を捉えることで、それぞれのキャンプの状況に適したペグを選べるようになります。
- キャンプサイトの地面の性質
- 当日の移動手段や荷物の容量
- 当日の天候
- ギアタイプ
を考慮しつつ、ペグの素材×形状×長さを組み合わせて、それぞれの状況に適したペグを選んでいきましょう。
キャンプ状況×ペグの種類の相性
使い心地や持っているギアの性質によっても多少変わってきますが、ペグの使い分けの一例をご紹介しましょう。
硬い地面や砂利地
砂地やぬかるみ
芝生や草地
山間
ペグは複数種類持っていると便利
ペグは1種類だけ持っているよりも複数のタイプを所持しておくことであらゆる状況に対応できるようになります。
例えば、鍛造ペグをメインにアルミペグやサンドペグを予備に用意しておいたり、複数の長さのペグを用意しておいたりすると、急な雨での地面変化や、ペグの破損や紛失時にも困ることがありません。
また、できればペグは使用本数ぴったりよりも、予備に何本かプラスして持ち運ぶことをおすすめします。
ペグの選び方ひとつで、もっとキャンプが楽しくなる
以上がペグの種類と使い分けに関してでした。
ペグひとつとっても、種類が豊富。状況によって使い分ける必要があります。
その場に応じた適切なギアを考えたり選んだりするのもキャンプの楽しみ方のひとつになりますよね。
どんなペグを選べばいいか分からないという方は今回の記事を参考にしていただき、お気に入りのペグを選んでいただければ幸いです。